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トップページ > 有田の町からコンニチワ > 亮秀窯:田代亮秀さん


25年前、大学出たての僕が出会った一客のコーヒー碗皿。使い込むほどに魅力が増し、いつの間にか会ったこともない亮秀さんのファンになっていました。ちょっとドキドキしながら有田町にある亮秀窯を訪ねて来ました。

昭和9年、田代亮秀さんは、代々の赤絵屋さんに生まれました。

田代亮秀さん
 田代亮秀(りょうしゅう)さん
 

もともとこん家はですね、赤絵屋やったんですよ。

有田はですね、窯元が二通りありますよね、本焼き窯元と赤絵窯元っちね。

今は窯元、ほとんど赤絵まで一緒に(全工程)、その窯元がやりますけどね。昔は全然そういう事はなかったわけですよね。ここは赤絵窯元やったんですよ。

おやじ、じいさんからずーっと代々赤絵屋さんですよね。



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じゃぁ、焼き物の道に進むのはごく自然のことだったのですね。

そうです。子供ん頃から、親がその、赤絵仕事をやっていたからですね。

学校出たあと、有田はもう、あっちこっち歩き回ったですよね、修行に・・・。その頃はもう本当、歩きましたよ。

窯元窯元で特徴がありますから。だから、それがプラスになりますよね。

そして、最終的に昭和54年、独立したわけですよね。本焼きをやりかかったのは、私が初代ですね。



  インタビューの様子(右:田代亮秀さん 左:窯吉オーナー)
 インタビューの様子
(左:窯吉オーナー 右:田代亮秀さん)

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昭和54年(1979年)1月開窯の亮秀窯、特徴はどこにありますか。

インタビューに熱心に応えてくれる亮秀さん
 亮秀窯展示室にて
  やはり絵付けです。

私は専門が絵付けだからですね。やっぱぁ、苦労すんのはですね、形よっかもこの絵付けにかかっとですよね。ま、頭痛むのは・・・。

この焼き物ちゅうとはだいたい形が決まってますから。もう、変な形を持ってきても器になりませんからですね。

たとえばですよ、極端な話、日展の作品と我々の伝統工芸とまた全然違いますからですね。(鑑賞のための芸術品ではなく、あくまで日々の生活の中で使われる器づくり)


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絵付けが専門ということですが、上絵(赤絵)、下絵(染付け)の違いはありますか。

いや、専門はどっちも関係ないですね、はい。

赤絵であろうが、染付けであろうが、(専門は)描く方だからですね。(絵付けのバランスについては)赤絵よりもやはり力を入れるのは染付けですよね。

染付けにまず力を入れてですね、あと赤絵はですね、色気だしですよね、どっちかて言えばですね。その程度が良かとじゃないんですかね。

バランスを崩すとちょっとこう、ちょっと見にくかですよね。これはですね、やっぱ、その方の修行もしくは経験でしょうね。


  下絵と上絵が精巧に解かされた皿
 下絵と上絵が精緻に描かれた皿

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僕も25年前に手に入れた蛸唐草のコーヒー碗皿が、今でも大のお気に入りです。

亮秀さんが描く蛸唐草は見事!
 亮秀さんが描く蛸唐草は見事!
 

うちのこの手の唐草はですね、ラフな唐草ですよね、どっちかち言えば。元々これは、柿右衛門ですよ。

とにかく「濁し絵」ちいう本がありましたもんね。それを一番最初、参考にした訳です。絵付けしながら、そのままじゃ面白くないからですね、(自分なりに)ラフな蛸唐草をつなげて行ったところが、この唐草になったわけですよね。(出来上がった蛸唐草のデザインは)これはもう、オリジナルですよ。

あのコーヒーなんかですねぇ、もう30年近く・・・。独立して一番最初からのコーヒー碗です、あれは。一番最初、あの(佐賀県)鹿島のですね、あの、今はない「麦」ていうコーヒー店の注文でこれは作ったんですよね。

こん形はですね、竹ですよね。竹型。節(ふし)んとこですよね。(パッと思いついて)ペーパーデザインして、一応原型を作ってですね、見て初めてわかった訳ですよね。最初は別に普通のカップて考えたと。焼いてみてですね、こう、思た事は、最高な形になりましたからね、この形は。


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僕も25年前に手に入れた蛸唐草のコーヒー碗皿が、今でも大のお気に入りです。

うちはあくまでも(実用の器を作っているので)、使ってもらってはじめて、うれしいですよね。

ただ、お客さんの次第では使わんで飾ってるっていう方もいらっしゃるけどですね、なるだけ使ってくださいって勧めるわけですよね。

(使って感じる良さがあるから)せっかく買っていただいたのに使わんではもったいないですから・・・。



  インタビューの様子
 インタビューの様子


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